2006.02.09 Thursday

人口網膜とサイバーパンク

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     2月8日のasahi.comに、『人口網膜「光」見えた 国内初、阪大グループが試験成功』と題する記事が載っていた。少し長いが引用する。

    「視力を失った人の眼球に人工網膜チップを埋め込み、光を「見せる」ことに、大阪大医学系研究科の田野保雄教授、不二門尚(ふじかど・たかし)教授らのグループが成功した。被験者が人工網膜で光を感じたのは国内では初めて。16日、東京都で開かれる感覚器障害研究成果発表会で報告する。
    (中略)
     眼球の裏にあって網膜を包んでいる強膜(厚さ約1ミリ)に、手術ですき間を作る技術を確立。ここに、縦横3個ずつ計9個のプラチナ電極がついている3ミリ角の人工網膜チップを埋め込んだ。
     そして、チップのそれぞれの電極に外部から電気を流すと、網膜が光を感じたときと同じような電気信号が視神経に伝達され、「光」として感じた。チップの電極は網膜や視神経に直接は触れていないが、距離が近いため電気信号をやりとりできるという。
     たとえば、縦に並ぶ3個だけに信号を流すと光は直線状に見え、ものの形も判別できることがはっきりした。チップは試験後に取り出した。
     グループは、2010年ごろの実用化を目指し、眼鏡などにつけた小型カメラの画像信号を眼球裏のチップに伝えるシステムを開発する。また、指の本数や字を見分けるためには、チップの電極を100個程度に増やす必要があるという。」(2006年02月08日15時04分(asahi.com))

     これを見て、サイバーパンクを思い出した。1980年代に流行ったSFのジャンルだ。そこでは、例えば、機械を埋め込んだ人間(機械は脱着可能な場合もある。)が、生身の人間以上の機能を持つ者として登場する。しかし、そのSFが設定する時代においては、そのような者は単なる「普通の人」なので(みんなが機械を埋め込んでいるからだ!!)、描かれるのは彼らの「日常生活」である。
     サイボーグ化した人間の日常の苦しみや喜びを、何の前置きもなく、当然のように描いていくスタイルに、当時、大変驚き、多少の肉体的な違和感(気持ち悪さ)を感じながらも、しかし、その一方で、その描き出す世界観が妙に格好いいなと思ったりしたものである。

     確かに、現時点でもコンピュータや携帯電話が普及し、さらにユビキタス社会化が進展するなど、サイバーパンクが予想した未来が、部分的に実現しつつあると言えるのかもしれない。しかし、サイバーパンクの核心ともいえる「サイボーグであることが普通である世界」は、まだまだだと思っていた。 と、ここで今回の記事である。

     遂に、サイバーパンクが描いた世界が現実化しつつあるのではないか。そんな時代が本当に来たら、人間の生活は、実際にはどのようなものになるのだろうか・・・

     もう一度、サイバーパンクの名作を読み返してみようかと思う。
    (サイバーパンクについては、ウィキペディアに素晴らしい解説あり。)

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