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    2006.08.17 Thursday

    心脳コントロール社会(小森陽一/ちくま新書)

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       小森陽一の「心脳コントロール社会」を読んでみた。

       深層心理に働きかけて無意識のうちに人々が誘導されている!!という奴で、ある意味昔からある「世論操作」などを暴き出す趣向の本なのだが、具体的な事例が紹介されていたり、フロイトなどを引用しつつ、なぜ、そのような潜在意識への働きかけに人が弱いか、果ては、なぜ、こどもは、何度も同じ物語を聞きたがるのかなどの説明があったり、結構楽しめた。

       具体的な心脳コントロールの使い手として挙げられているのが、フランク・ランツという世論調査と政治戦略を専門とするマーケット・リサーチャー。彼は、ジョージ・ブッシュ大統領の重要な政策のキャッチ・コピーにすべてかかわっている方だそうだ。
       地球温暖化(Global Warming)にアメリカが積極的に対応したくないので、それをある時から気候変動(Climate Change)という言葉に変えたとか、9・11で最も被害を受けた場所を「グラウンド・ゼロ」(原爆投下の爆心地のこと)と命名することで、自分達こそがもっとも悲惨な被害者だと思わせ、その後のテロとの戦い(War on Terror)を正当化するとともに、原爆投下の加害者としてのトラウマを消去してみせた等々。
       また、小泉首相も「改革」というキーワードを巧みに使って心脳コントロールしている、先の選挙に当たり、自民党は「プラップ・ジャパン」という広告会社と正式に契約し、選挙宣伝を展開していることなどが紹介されている。

       私が、より面白いなと思って読んだのが、第4章の「人間にとっての言語と心脳」。人間が、初めて直面する「なぜ!?」は、それまで「おもらし」をしても怒られなかったのに、ある日突然、「くさい」、「きたない」と鬼のように怒られるようになることにあるのだそうだ。このような事態は、それまで親の愛情で守られていた者をおそるべき「不条理」状態に突き落とす。人は、このような恐るべき状況を打開し、自らの存在を守るため、それまで分化されていなかった原因と結果(おもらし→怒られる)を、必死で論理(言葉)で理解し納得しようとするらしい。これが、子どもが論理を習得する第一歩であり、また、子どもが同じ物語を何度も聞きたがるのは、同じ論理(物語の筋道)を繰り返し聴くことで安心を得るためだと筆者は言う。(筆者は、また、子どものいじめで、「くさい」、「きたない」という言葉が使われることが多いのは、このときのことがトラウマとなっているためだとしている。)

       ここのところの説明に、筆者は大変力を入れている。その理由は、「なぜ?!」と感じるようになる以前の状態の、いわば「赤ん坊の頃の心」に直接働きかけようとするのが、心脳コントロールだということを説明したいがためなのだが、そういった筆者の意図とは、別に、この部分はかなり楽しめた。
       
       なお、筆者は、結論として、これらの「心脳コントロールはけしからん!!」と言いたかったようなのだが、『ある種の広告や宣伝がきれいさっぱり地球上からなくなることはないのだろうし、人間関係には何らかの駆け引きは必ずつきものだから、もし、「けしからん」というなら、どこまでが良い(けしかる?)広告・宣伝手法でどこまでが悪い(けしからん)手法なのかということを、もっと具体的に明らかにしてもらわないと・・・・』と突っ込みを入れながらの読了となった。(でも、いずれにせよ、上記のとおり、結構楽しめました。)

       

      2017.02.26 Sunday

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        コメント
        相変わらず「深読み」をしている様子ですね。ところで夏ももうすぐ終わり・・・。今日は飲み過ぎて少々疲れて今帰ってきました。誰もいない部屋にドッと疲れて帰ってくるのは、なんとも言い難いものがありますね。最近「神々の本」を何冊も続けて読んでいます。伊勢神宮の式年遷宮が7年後。お伊勢さんの世界は「特別権力関係」・・・最近そんな気がしています。理屈ではない何かがあるんでしょうか?
        • のらのすけ
        • 2006.08.19 Saturday 00:21
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        CMは面白いけど毒だらけ
        ◎心脳コントロールの日々 最近のテレビCMには、良くできているものが多いので、却って考えさせられるものが多い。 まず、わかりやすいものはDHC。ナントカナントカ第一位、ナントカナントカ第一位、ナントカナントカ第一位と第一位を連呼する。それでもって大概
        • アヴァンギャルド精神世界
        • 2006/10/23 6:04 AM
        プラップジャパン
        プラップジャパン|略称 = |国籍 = |郵便番号 = |本社所在地 = 東京都渋谷区渋谷2-12-19 |電話番号 = |設立 = 1970年9月9日|業種 = 9050|統一金融機関コード = |SWIFTコード = |事業内容 = 広報活動支援・コンサルティング|代表者 = 矢島尚|資本金 = 4
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